ヨーロッパ40日の旅 3  ドイツーデュッセルドルフ、ケルン





●デュッセルドルフ(2007年8月24日〜26日)

8月24日。
カッセルからデュッセルドルフへ行きました。ライン川沿いのユースホステルで宿泊。





インマーマン通りで久々にラーメンを食べ、シャドウアルカーデンを抜けてヨハネス教会へ。




洗練されたステンドグラスが目を引きます。




デュッセルドルフ美術アカデミーへ潜入。かつてパウル・クレーやヨーゼフ・ボイス等が教鞭を取っていたことがあり、また日本人がよく行く学校としても知られています。






学生を見つけてアトリエを覗いてみました。






雑多なタッチと不健康な色使いは、現代絵画によく見られる流行でしょうか。




数人の学生たちに僕の絵を見せたところ、「Interesting! It's like a dream!」と興奮していました。リアルな絵は好きじゃないが、君の絵はストーリー性があって好きだ、とコメントしていました。
彼らのクラスでは、表現力の向上よりも毎週行う教授とのディスカッションを重視しているらしく、アートと社会との関わりを意識した研究が活発な様子でした。美術の玄人以外にも自身の作品を発信しようとする姿勢は共感できますが、明らかな技量不足と流行のなぞりがゴロゴロしていた印象は否めません。






町中のギャラリーです。






画家自身が経営するPUEVAというギャラリーでは、画家が常時 公開制作を行っていました。




K20。
クレーをはじめシャガール、ウォーホル等20世紀の美術を集めた州立美術館です。この時は、杉本博史さんの大規模な個展が催されていました。気迫に満ちた写真作品が並びます。





8月25日。
クンストパラスト美術館。ガラス工芸の名品を揃えたすばらしいコレクションです。







透き通っています。
一見すると地味に思える色彩でもじっくり見ていると、様々な味わい深い色が複雑に絡み合い、奥行きと広がりを感じさせてくれます。ものすごい技術です。こうした絶妙な色使いは、とことん美を追求する愚直な鍛錬の蓄積でこそ生み出せるものです。真の独創性とは、素材と技術と造形力を極限まで高め続ける中で、ようやく創出できる極上のものであると僕は思っています。




内部の人形が揺れ動く仕組みになっています。




息を呑むほどの美しさ。






並みの絵画を凌駕するくらい繊細で深みのある色彩は、本当にすさまじい。




天井には謎のモニターが。





Ibisホテルに移動して宿泊。




●ケルン(2007年8月26日)
デュッセルドルフを早めに見終えたので、予定を変更して日帰りでケルンへ。
駅を出た瞬間、異様にそびえるケルン大聖堂が現れます。高さ157メートル、奥行き144メートルの巨大な聖堂は、600年以上かけてつくられたゴシック建築のカトリック教会です。





身廊に進むと、ミサが行われていました。
直線的な構造をもつ大聖堂の中で祈りを捧げるキリスト教徒の人々に混じっていると、あらためて自分が別世界にいることを認識させられます。芸術には、あらゆる人々を対象にしたものと、宗教や上流階級等 ある特定のコミュニティーを対象にしたものとがあります。僕はあくまで前者を目指したい、と強く感じました。




美しいバイエルン窓。





ケルン派を代表する画家、シュテファン・ロホナーの「大聖堂の絵(Dombild)」は必見です。




狭い螺旋階段を登るとケルンの町並みが広がっていました。




計算され尽くした設計です。





ローマ・ゲルマン博物館です。




ディオニソス・モザイクは圧巻です。






サイコロ、コイン、秤、カップ等のモチーフが見事にデザインされています。時代は1〜5世紀頃。






ヴァラルーフ・リヒャルツ博物館。




14〜16世紀のケルン派やドイツ、フランスのロマン派と印象派の絵画が所蔵されています。





ここでもやはりロホナーの作品が光っていました。「バラ園の聖母」は本当に美しいです。





金地の上に施された刻印も決まっています。





外ではストリートペインティングが行われていました。





夜、再びデュッセルドルフに戻りました。


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